アクリル繊維やポリエステル素材の進化で、今や化学繊維の服が全盛。綿よりも保温効果がよく、通気性や撥水性も高かったり、安いだけの素材ではなくなってきています。
でも、綿素材の服も捨てたもんではありません。肌触りが良く、吸水性に優れ、何しろ自然のものなので、エコでアレルギー体質にも優しかったりします。実は、この綿もその栽培には大量の農薬や化学肥料が使われているということ、ご存知でしたか?
オーガニックコットンになるまでの3年間を
埋め合わせる仕組みがある
綿花栽培では大量の化学肥料と農薬が使われ、防カビ剤なども投与されています。土壌にも悪影響を及ぼし、作物を育てる力も弱まると言われています。
そこで、有機肥料を使い、農薬を使わないオーガニックコットンが注目されはじめています。
ただ、オーガニックコットンは見た目が普通の綿と変わらないため、認証機関による認証が必要です。
その認証を得るまでの期間がなんと3年間。
その間はオーガニックコットンと同じ苦労をしながらも、オーガニックコットンと認めてもらえず、苦労だけが残ってしまうそうです。
途中でオーガニックをあきらめる農家も出てきて、オーガニックへの移行が頓挫してしまう可能性もあるのです。
そこで、その3年間を「プレオーガニックコットン」として付加価値をつけて買い取ることで農家の経済的負担を軽減し、オーガニックへの移行をサポートする活動が行われています。
「プレオーガニックコットンプログラム」
インドのコットン農家の化学農薬による健康被害・土壌汚染、農薬購入による借金問題等を解決するため、オーガニック栽培をスタートするための支援を行うプログラム。音楽プロデューサー小林武史が代表をつとめるクルックと伊藤忠商事・繊維カンパニーが、共同で企画・運営を行っている。認証取得に必要な3年間のオーガニック栽培期間の収入減カバーからプレオーガニックコットン商標での販売・流通までを支援している。
2011年度グッドデザイン特別賞「グッドデザイン・サステナブルデザイン賞(経済産業大臣賞)」を受賞。活動団体のサイトを見る
プレオーガニック・コットンの活動で、多くのインドの綿農家が、オーガニック・コットンへの移行ができるようになりました。
プレオーガニックコットンの表示のついている服を買えば、それらの農家を支援するだけでなく、オーガニックコットンを生産する農家を増やすことに繋がるのです。
収穫されたプレオーガニック・コットンは工場に運ばれて、精製が行われます。
この記事のおさらい
- one mile wear by URBAN RESEARCH
- プレオーガニックコットン製品
- 商品を購入する
- 生産者支援
- プレオーガニックコットンプログラム
- オーガニックコットン認証取得に必要な3年間のオーガニック栽培期間の収入減カバーからプレオーガニックコットン商標での販売・流通までを支援