かつてダーウィンは、進化論において次のような概念を提示しました。
生存競争に努める生物のうち、最も環境に適した形質をもつ個体が生存の機会を保障される
こんにちは。知識の泉があふれるバイコット編集長のワダです。
バイコット編集部にはOちゃんというデザイナーがいます。Oちゃんは、特別に優しいわけでも、足が早いわけでも、力が強いわけでもない。話しが上手いわけでもなければ、面白いことを言うでもない。それでも、30年間の人生を皆から愛され、さまざまな局面で成功し、生き残ってきた、生存競争の勝者です。
そんなOちゃんには、登山というステキな趣味があります。昨年末にはOちゃんが部長を務めるバイコット登山部も発足しました。
今日は、そんなOちゃんの生存戦略を支える処世術について、登山をしながら迫っていきたいと思います。
新緑のまぶしいトレッキングシーズン。みんなで登山計画
登山にぴったりの新緑シーズンがいよいよやってきました!わがバイコット登山部も3度目の登山プランを企画。そして今回選ばれたのは、神奈川県の丹沢山地にある、標高1,273mの鍋割山(なべわりやま)です。
丹沢山地は、神奈川県の面積の1/6を占め、東京都心からのアクセスも良いため、週末には多くの登山者が集まる人気のエリア。
そのなかでも、鍋割山は山頂で鍋焼きうどんが食べられることで有名で、それを目当てに多くの登山者が鍋割山を目指すそうです。わが山部も例外ではなく、近頃反応の薄い女子部員の気持ちを盛り上げるべく、おいしいもの食べさせれば大丈夫だろう、という安易な判断で決まりました。
さて、ここまでは、完全に趣味ブログの様子。しかし本誌はもちろん「バイコット」
今回ご紹介するのが、ビギナーから熟達者まで御用達の国産登山ブランド、mont-bell(モンベル)の寄付つきTシャツです。
バイコットでも3年前に紹介をして(過去記事はこちら)大きな反響がありましたが、自ら登山をするようになって、ぜひレポートしたいと思っていました!
いよいよ、Tシャツでの登山が気持ちいいシーズンがやってきました。モンベル寄付つきTシャツを着て、バイコット登山部出動です!!
8:25 鍋割山登山スタート
さて、薄曇りの土曜日。梅雨間近の季節としては、暑くもなく、なかなかのコンディション。
小田急新松田駅から、バスで今回の登山口入口のある寄(やどりき)バス停までやってきました。
鍋割山は、いわゆる低山と呼ばれる山ですが、登山口からの標高差はかなり大きく、今回の登りルートは、櫟山、栗の木洞という2つのピークを経て、鍋割山を目指す、標高差1,100m、距離にして約7.4kmを約4時間で登りきる、なかなか体力を要するコースです。
富士山登山の最短ルート、富士宮ルートが標高差1,350m、距離8.5kmなので、まったく侮れません。
鍋焼きうどんが食べられる、としか聞かされていない女子部員たちは大丈夫でしょうか。 まだ、のんきなものです。
こちらは鍋割山へのメインルートではないため、人はまばら。はじめは畑の中を進みますが、いきなりの急坂に、楽しくウォーミングアップの雰囲気でもなくなってきました。
目的地の鍋割山山頂までは、2つのピークを越えなくてはなりませんが、すべての行程が部長に委ねられ、メンバーは知る由もありません。
尾根に出るとほっとしますが、それも束の間、
予想以上のハードな山行に、女子部員の顔色がみるみる曇ります。
頂上に近付くにつれ、鬱蒼とした杉林が開け、空が明るくなってきました!いよいよ、第一のピーク、櫟山(くぬぎやま)山頂まであとわずか!登山者のバイブル、山渓オンラインさんによると、
丹沢山塊にある山で、鍋割山の南側尾根にある。山頂は草原になっていて、東側には素晴らしい眺望が得られる。
とあります!これは期待が高まる!
10:18 第1のピーク 櫟山~ 第2のピーク栗の木洞まで
なんも見えねえ。
ご褒美ひとつない山頂の展望。この時点で標高810m。誰も気づいていないし、伝える気もないけど、前回登った高松山が801mだったので、この時点で既に前回の標高を上回っています。はやくも気力が枯れかかり座り込む女子部員。そこに、遅れて登ってきた別のパーティから聞こえてきた会話が、「ここヒルが居そうだから座らないほうがいい」
無言で立ち上がる女子部員。まるでスタートレックに出てきそうな表情だ。
「もう登ったから帰ろう」
ふいに女子部員の口から恐れていた言葉が発せられ、パーティに緊張が走ります。
さあ、試されているぞ!部長!
「なるほど」
世渡り語録その1 なるほど「あなたのその発言に一定の理解と共感を示す」コーチングの基本とも言える、傾聴と共感を凝縮したひと言。頷きや感情を乗せて発することで、より深い理解を示すことも可能。難易度:やさしいが深い
すかさずOちゃん。決して誰も傷つけることなく、まずは女子からのけん制を軽く無効化しました。
さらに何事もなかったのように続けます。
「この先はしばらく気持ちのいい道が続く」
登山地図を開けばひと目でバレる偽りの登山情報を流して、女子部員を奮い立たせます。このあたりの気遣いもさすがです。
さらに上って2つ目のピークとなる栗の木洞へ。この時点で標高900m。ビギナーにはそれなりに堪えます。
そして、歯を食いしばりながら登ってきた矢先、転げ落ちるような崖で、一気に高度を100m以上下げます。女子部員からは、当然のように不満が噴出します。
「まあまあまあまあ」
世渡り語録その2 まあまあまあまあ
「あなたの気持ちはよく分かるけど、そんなこと言いなさんな」という、相手の怒り・悔しさに寄り添う姿勢を示しつつ、自分が相手よりも余裕のある人間であることを周囲にアピールできる。難易度:やさしい
ここでもすかさずフォロー。弱気になった部員を鼓舞します!
11:03 後沢乗越でメインルートに合流
そして、ようやくメインルートとの合流地点の後沢乗越に到着。
ほぼ登り一辺倒のメインルートに比べて、この時点で150m以上のアップダウンを余計にしていますが、それに気付いているのは多分私だけなので、黙っておいてやりましょう。
ここで、一気に登山者が増えるとともに、一抹の不安が頭をよぎります。
というのも、この鍋焼きうどん、人気がありすぎて、ピークには2時間待ち、と言われており、さすがに山頂で2時間足止めを食らうわけにはいかない一行は焦ります。
とはいえ、これ以上ペースを上げたら、女子部員がバイコットならぬボイコットをすることは明白です。
ハードな急登が続きますが、鍋焼きうどんを合言葉に、一行はひたすら前に進みます。
見えてきました山荘のソーラーパネル。いよいよ山頂だ!!!
12:36 ついに鍋割山登頂!鍋焼きうどんへ急げ!
ここまで、なんだかんだと4時間の行程。なかなか登り甲斐がありました。
晴れていれば、相模湾と富士山が一望できる大パノラマが広がるはずですが、ご覧の天候。しかし、問題はそこではない。景色もそこそこに、お目当ての鍋焼きうどんへ一行は急ぎます。
おお。結構な行列ですが、営業中のノボリ!!
ここまで来れば安心です。回転は早いという噂なので、期待して待ちましょう。
行列に並んで待つこと30分。「思ったより進まないね」なんて言いながら、なんとか山小屋の入口付近まで進んだところで、突然お店のスタッフらしき人が登場。鍋割山荘の名物店主として有名な草野さんではないようだ。
「おわりました!」
ん?
「うどんおわりました!」
あたりがザワつく。
ははっ。みんな知らないんだな。私はすでにインターネットで調査済みである。
ここの鍋焼きうどんは、1日で最高615杯売れたことがあるそうですよっ。
ここの鍋焼きうどんは、なんと35年間1度も売り切れたことがないそうです!
ふふっ
でも今日はうどんがないそうです。
うどーーーーーーーーーーーん
うどんにすべてのモチベーションを捧げ、崩れ落ちる私。女子部員も、中空のあらぬ一点を見詰めて、何かをブツブツと呟いている。もうパーティはおしまいだ。
その刹那、おもむろにOちゃんが
「およよよよよ」
世渡り語録その3 およよよよよ
自らがピエロのようにおどけてみせることで、皆の怒りや悲しみを和らげる。おちゃめな自分もアピール。難易度:むずかしい
私は、まったく場違いなその振る舞いに、Oちゃんの胸倉を殴らんばかりに掴みかかった。
貴様ぁああああああああああ!
ボソッ「・・・さーせん・・・」
ハッ
ちょっと待て。Oちゃんも鍋焼きうどんを楽しみにしていたのではないのか。悲しくないとでも思うのか。おどけた真似をして、落ち込む仲間を励ましてくれているのではないのか。
そうだよなOちゃん。おれが悪かったよ。鍋焼きうどんで大切な仲間を失うところだった。
私もOちゃんに続く。
「およよよよよ」
もしもに備えて持参したカップラーメンが私たちを空腹から救ってくれますが、その瞬間は脱力感で写真を撮るのも忘れました。
さて、ようやく長い長いプロローグが終わりました。
気を取り直して、本日のメインテーマ、モンベルの寄付つきTシャツをご紹介します!
13:48 モンベルの寄付つきTシャツはバリエーション豊富!
長野県ライチョウ保護
長野県の県鳥であるライチョウに絶滅のおそれが高まっていることが、平成26年の調査で明らかになりました。このTシャツの売り上げの一部は、長野県が行う日本アルプスに生息するライチョウの保護活動に役立てられます。
ボルネオゾウ
パーム油生産のためのアブラヤシプランテーションの乱開発によってボルネオの熱帯雨林は大幅に減少し、ボルネオオランウータンやテングザル、ボルネオゾウなど、多くの希少動物が絶滅の危機にあります。このTシャツの売り上げの一部は、ボルネオの熱帯雨林を守り、動物と人が共に生きる社会づくりに取り組んでいる、「認定NPO法人ボルネオ保全トラスト・ジャパン」の活動に役立てられます。
日本一心プロジェクト
書道家・紫舟さんによる書をプリントしたTシャツです。売り上げの一部は、東日本大震災復興支援「日本一心プロジェクト」に寄付されます。再結成したCOMPLEXのチャリティライブが話題になりました。ドンズバ世代です。
奈良公園の環境を守る会
奈良公園内に予定されているリゾートホテル建設に対する反対運動を行う「奈良公園の環境を守る会」の活動に役立てられます。イラストは、1960年代に不許可中止となったリゾートホテル計画が、まるでゾンビのごとく蘇ったことを、世界的なイラストレーターで、反対運動の発起人の一人でもある寺田克也氏によって表現されました。
泥んこ遊び
そして、私が着用しているTシャツは、売り上げの一部が「日本冒険遊び場づくり協会」の活動に役立てられます。自分の子ども時代と比べて、公園は禁止事項だらけ。犯罪も心配。うるさいと怒られる。子どもたちが自由に思いっきり遊べる環境をつくることを目指し、全国の冒険遊び場づくりを支援している団体です。
このほかにも、
●日本の自然保護や絶滅危惧種を守る「日本自然保護協会」
●鳥や獣たちが主役の村「オホーツクの村」
●災害からいのちを守る森をつくる「鎮守の森のプロジェクト」
●人と自然の共存のため鳥類の調査をおこなう「バードリサーチ」
●水辺で子どもたちの命を守る「子どもたちにライジャケを!」
●東日本大震災で被災した子どもたちを支援する「手のひらに太陽の家プロジェクト」
●沖縄県大東島に生息する固有亜種「ダイトウコノハズクの保護研究活動」
●子どもたちが楽しく川と自然に親しむきっかけを作る「川の学校」
●「河島英五記念基金」を通して自然保護活動を真摯に行う団体に寄付
●南阿蘇村の復興を支援するプロジェクト「南阿蘇の力」
などなど。
これだけ、たくさんの選択肢があるので、気に入ったデザインで選んでもいいし、支援先を見て選ぶのもいいかもしれませんね。
あらためて、私たちが知らない様々な問題があること、それに取り組む人々がいることに気付くきっかけになるのは、本当に素晴らしいことだと思います。自分の選んだTシャツの意味を、だれかに説明できたらカッコいいですね!
ちなみに丹沢へのアクセスは小田急電鉄。小田急といえば箱根の自然環境保全への寄付がついたミネラルウォーター「箱根の森から」も忘れずに!(過去記事はこちら)
今回のように、チームで揃えると一体感も出るしおすすめですよ!
14:13 登った山は下りなくてはならない
さて、空腹がそれなりに満たされてしまえば、鍋焼きうどんのことなど忘れてしまいます。
本来であれば、取材はここでおしまい。ハイおつかれさまでした。となります。
しかしここは山頂。登ったぶんだけ当然下りなくてはなりません。
登山レポにつき、しばしお付き合いください。
元気になった一同は、下山を開始!
・・・
のはずが、
まだ登ってませんか。
下山のルートまでは、あと100m登らなくてはなりません。本当にきつい
今回の最高地点の「金冷シ」に到着。標高1,370m。よく登りました。ようやくここから待望の下りに転じます。ただし、距離にしておよそ6.4㎞、標高差1,000m以上、2時間以上ひたすら下り続けなくてはなりません。くぅー。
分岐をすぐに下ると、すぐに崩落地点が。ちなみに、この地名の由来は、想像どおりアレだそうです。あまりの恐怖に金が冷えるそうです。
360度の大パノラマから、ひたすら下っていきましょう!
登りよりはペースが速いものの、さすがに4時間+α登り続けたメンバーの脚は限界です。バンビのようにプルプルしてます。
「あと1時間半、心を殺して足を動かし続けていれば、山から下りられる・・・」
メンバーのひとりが、うわ言のようにボソッとつぶやきます。もはや苦行。これは正しい余暇の過ごし方なのだろうか。
もしも下山後に退部届の用紙が配られたら、という話で盛り上がります。
「やめます」
「私も書きます」
「おれも」
「ヤメテ~」
世渡り語録その4 ヤメテ~
どんなイジリも楽しそうな雰囲気にさせる言葉。いじった相手の満足度は高く、「こいつカワイイやつだ」と気に入られる可能性は高い。難易度:ふつう
17:53 長かった山行の終焉~下山
登山口にある有名らしい丹沢クリステルとキャサリン。これ夜見たら絶対にヒイッってなるやつだ。ようやく長かった登山道ともお別れです。
みんな頑張りました!長い登山道が終わって、達成感と安堵を感じながら、たわいもない話をして夕暮れの里山をゆるゆると歩くこの時間が好きです。これこそ、グループ登山の醍醐味ですよね。
最後までお付きい合いいただき、ありがとうございます。
バイコットでは、編集かライティングかデザインかプログラムの得意な登山部員を心よりお待ちしています!
この記事のおさらい
- mont-bell(モンベル)
- 寄付つきTシャツ 1,800~2,400円(税別)
- Tシャツを購入
- 売上の一部が寄付
- 社会課題に取り組む各団体
- 各団体が取り組む社会課題解決の力になる
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- writer 編集長ワダ
- バイコット編集長/ソーシャルクリエイター
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(2018.06.19)