スリフトショップとは?
日本ではほとんど見かけないスリフトショップ。いわゆる古着屋とは何が違うのでしょう? スリフトショップとは古着屋の中でも、慈善団体とつながっている店のこと。販売を通して何らかの形で慈善活動を行っている店舗のことを指します。アメリカでは古着屋やヴィンテージショップだけでなく、こうしたスリフトショップが人気があり主流です。Housing Works以外にも、Goodwill, Salvation Armyといったスリフトショップがあるのでぜひ調べてみてはいかがでしょう。
Housing Worksでいつも驚かされるのは、どの曜日のどの時間、どのお店に行ってもいつもにぎわっていること!客層も幅広く、センスのいい学生から主婦、そしてよく見かけるのは高齢者の方。みんな宝の山の中からお気に入りの一着を探すのに必死です。1995年のオープン以来、浮き沈みの激しいNYで20年間も運営を続けられているのは、世代を問わず、ニューヨーカーの心を惹きつける魅力があるからでしょう。
助け合いの精神 + ハイクオリティ&ハイセンスの商品
そんなHousing Worksの人気の秘密は?まずは何と言ってもその運営理念に共感する人が多いからでしょう。ニューヨーカーは助け合いの精神が強いので、利益がそのまま同じ空の下で生きるニューヨーカーのためになると思うと、購買意欲もそそられます。さらに、扱う商品のクオリティの高さも魅力。いくら利益が支援活動に使われるといっても、ボロボロに着古したセンスの悪い商品ばかりではお客さんは来ません。Housing Worksは違います。ヴィンテージショップに引けを取らない魅力的な商品が本当にたくさんあるんです!
中にはデザイナーズの商品もあり、ヴィンテージショップならもっと高額で売っていそうな商品も。例えばこのスタッズ付きレザースカートは、なんと20ドル!
そしてこちらの上品なファー付ヴィンテージコートは驚きの75ドル!真冬の寒さが厳しいNYでは活躍すること間違いなしの1着。同じような品物を新品で買ったら、桁が違っちゃいますよね。
並んでいるのは洋服だけではありません。来店客用のソファーかと思いきや、なんとこちらも商品!350ドル。
Housing Worksでは、チャリティーイベントも人気の1つ。中でも「Design on a Dime」という名のイベントは2004年の開始から今年で11年目。60名を超える世界でトップクラスのインテリアデザイナーが集結し、定価の50~70%割引で商品を販売する人気イベントです。売上は全額住居支援のために充てられ、2014年にはこのイベントだけで年間110万ドル(約1.3億円)もの売上を記録しています!
そんな魅力あふれるHousing Worksの商品ですが、残念ながら日本からは購入できません。せめてNYを訪れた時にはHousing Worksのオシャレ古着で、身も心もニューヨーカー気分を味わってみてはいかがでしょう。
日本でもオシャレなチャリティショッピングがしたい!
ご紹介したHousing Worksのような洗練されたショップの増加もあって、アメリカやイギリスでは、スリフトショップ(チャリティショップ)が多くの人に愛され利用されています。一方、日本にもリサイクルショップや古着屋はたくさんあるのですが、チャリティを目的としたショップはほんの僅かしかありません。リサイクル文化はもちろん、アメリカンファッション、古着ファッションが人気の日本でも、スリフトショップのような取り組みが広まる土壌は充分にあると思っています。日本でもオシャレなチャリティショッピングができるよう、NYから祈っています。
この記事のおさらい
- Housing Works
- Housing Worksで販売されている全商品
- 商品を購入する
- 経費を除く利益 全額寄付
- HIV/AIDS患者のホームレス
- 古着・中古家具ショップHousing Worksの商品はすべて寄付によって集められ、その利益が物資、医療、職業支援等の生活支援に充てられる
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- writer y_ysd39
- フリーランスライター / 学生
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取材協力:Housing Works
人物画像出典 全てHousing Works:(2015.03.25)