第1回Q-pot.デザイナー・ワカマツ タダアキ

「ワカマツさん自身が好きなモノ」から「誰かの笑顔のため」に、
というモチーフ選びの広がりがあったんですね。

そうですね。最初は僕の好きなモノや、生活に直結しているモノっていうコンセプトで表現していければと思っていたんですけど。
例えばスイーツに限らず、ハンバーガーショップでチーズやアボカドなどトッピングを自分なりに選べたり・・・そういう瞬間ってちょっと幸せだな〜と思うんです。
生活の中で少しでもワクワクを感じる瞬間、それを生み出すモノ、それらをモチーフにしてアクセサリーを創っていけたらといいな〜という考えに変わってきていますね。

“エラベルシアワセ”をコンセプトにしたハンバーガーシリーズは男女問わず人気。
“エラベルシアワセ”をコンセプトにしたハンバーガーシリーズは男女問わず人気。

ワカマツさんやご家族は、やっぱり「食べること」が好きなんですか?

そうですね。食べることって世界共通で人間の基本的な生活の一部で、かけがえのないものですよね。
食べることそのモノが1つの幸せを感じる瞬間でもありますし、特に誰と食べるかも重要だったりもしますし。
好みの味で言うと、僕自身は甘いモノがかなり好きなほうだと思います(笑)
だからどうしてもアクセサリーのモチーフにはスイーツを始めとした甘い食べ物を採用することが多いんです。僕にとっては日々の生活の一部を切り取るイメージですね。

なるほど。ワカマツさんの日常生活にモチーフがあるんですね。
それらを実際のデザインにするとき、どうやって形にしていくんですか?

僕の場合は、割と映画を作る感覚に近くて、モチーフを全体のストーリーに合わせてキャスティングしていくというか、そこから1つのストーリーを作っていくみたいな感覚です。
例えばQ-pot.にはショコラシリーズというラインナップがありますが、それをお客様が身につけるシチュエーションやプレゼントする瞬間を思い浮かべています。するとパッケージも大事になってくると思いますし、箱詰めしていく作業も楽しいと感じることが多い。
ひとつのモノだけじゃなくて、トータルで世界観やストーリーを感じてもらうことを大事にしています。
まるで映画監督みたいですね(笑)

大切な方のイニシャルやメッセージを込めてプレゼントされる人も多いそう。
大切な方のイニシャルやメッセージを込めてプレゼントされる人も多いそう。

映画監督の例えは面白いですね。デザイナーさんの仕事というと、
絵や輪郭のようなイメージから実際に形にして、と想像していました。

Q-pot.デザイナー ワカマツタダアキ

そういう人もいますよね。
僕の場合なら、スイーツを例にとってご説明すると、美味しくなさそうなモノは誰も喜ばないし、誰も手に取らないですよね。実物のスイーツ、例えばケーキそのモノより美味しく見えるようなイメージがポイントです。食感を想像できることだったり、五感全部で実物よりも「美味しそう」と感じてイメージしてもらえるようなデザインができたらな、という気配りを常にしています。
とにかく実物、アクセサリーも装飾品という意味では実物なんですが、実際のスイーツよりも「美味しそう!」と思ってもらえるモノづくりを心がけてます。
大きな夢ですが、志は高く、最終的には世界中に笑顔を広げていきたいという思いを持ち続けているんですよ。

今お話に出た「世界中に笑顔を広げていきたい」という想いと
つながると思うのですが、Q-pot.さんが取り組んでいる
「とろ~りリボン・プロジェクト」について教えてください。

はい、世界中に笑顔を、ということとつながりますね。Q-pot.というブランドを立ち上げたときの目標のひとつに「10年後にアフリカに井戸を掘る!」というすごく明確な目標があったんです。きれいな水を必要としているたくさんの方々の役に立ちたいと強く思っていました。

ユニクロとのコラボTシャツ(現在は販売されておりません。)
ユニクロとのコラボTシャツ(現在は販売されておりません。)
とろ~り・リボンプロジェクト

その目標をもってブランドを立ち上げて7年目の時に、ユニクロさんから別企画で、コラボのお声がけがありまして。
元々は、Tシャツのデザインのみのコラボオファーだったのですが、打合せの際に僕達の夢だったアフリカに井戸を掘りたいという話をしてみたんです。すると、とても前向きに考えてくださって。それがきっかけでもありました。
結果として、とろ~り・リボンプロジェクトが誕生し、売上の一部をドネーションするというかたちで、デザインからコラボさせてもらいました。
とろ~りというネーミングは”水”からきています。加えて、人の心も溶かすというような意味もひっそり感じて欲しいなと考えて決ました。結果UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)を通じて、エチオピアにおける水プロジェクトに寄付され、キレイな水を提供することが実現できました。
プロジェクト化したのは、1回だけの企画で終わるのではなくて、今後も自分たちらしい形で、長くドネーションを続けていける、持続性のあるブランドにしていきたいなという想いがあったからなんです。

10箇所の給水スポットがエリアごとに設置できました。
10箇所の給水スポットがエリアごとに設置できました。
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