ぎっしりカラフルなくだものが詰まった美味しそうなフルーツバー。
実はこれ、純植物性の石けん素地のみを使用した、環境にも優しい石けんなんですよ!
これは、石けんブランド「li’ili’i(リィリィ)」のフルーツキャンディバーソープ。今すぐにでも食べてしまいたくなるようなビジュアルから「PLAZA」「LOFT」「東急ハンズ」などで注目を集めているんです。
いったいどんなふうにして作られているのか…早速、取材に行ってきました(‘◇’)ゞ
キウイ、イチゴにブルーベリー…ぜ~んぶせっけん!
li’ili’i(リィリィ)を作っているのは、神奈川県小田原市にある株式会社リンクラインさん。障がい者の社会的自立を目的として、2010年に誕生した会社です。
かわいいウェルカムイラストでお迎えいただきました!感動ーーーー!!
工場内に入ると、どこからともなくフルーツの良い香りが……。工場内に足を踏み入れると「こんにちは!」と作業する手を止め、顔をあげて挨拶をしてくれました。こんなにも元気で心地の良い挨拶は久しぶりで嬉しい気持ちに。
スタッフの手元には、美味しそうなフルーツの数々。
そう。なんとli’ili’i(リィリィ)の石けんは、一つひとつ手作りだったのです。
みかんの皮も一つひとつ丁寧に塗っていましたよ。細かい作業を、集中してこなしていきます。
キウイやブルーベリーも、まるで本物みたいですね。それぞれのフルーツを型に入れ、透明の石けんを流し込んで固めたのがこちら。このミックスフルーツは、一番人気の商品だそうです。食べられないけどおいしそう!
しかも、フルーツによって香りもそれぞれ違うというこだわりよう。調香師に依頼したオリジナルの香料を使用していて、フレグランス石けんとしても楽しめちゃいます。
個性を生かせる手作業だから感じる「ぬくもり」
現在、株式会社リンクラインさんのスタッフは全29名。そのうち、障がい者雇用は24名。全てのスタッフが同じ現場で分け隔てなく作業をしていました。
「彼らの個性を生かせるものを考えた結果、誕生したのが、このli’ili’i(リィリィ)です。機械では真似のできない、手作業だからこそのぬくもりがあります。1点1点すべて違うので、お客さまにも、楽しみながら選んでいただけたら嬉しいですね」と、代表取締役の神原薫さん。
和気あいあいと、一緒に作業をする神原さん
株式会社リンクラインさんでは、設立当初より商品を“障がい者の手作り”として、販売することは敢えてしてこなかったそうです。下請けの商品作りをこなす中で「もっと、彼らにしか出来ないことで“表”に立たせてあげたい!」と考えた神原さんは、2016年にli’ili’i(リィリィ)ブランドを立ち上げました。
その際にも“障がい者の手作り”を謳うかは悩んだと言います。しかし、彼らが作っていることは紛れもない事実であることから『作るのも僕たち。売るのも僕たち。』として“障がい者の手作り”であることも、素直に伝えることにしたそうです。
お客さまを驚かせ、笑顔が見たいから作り続ける
「彼らには、夢があります。それは『お客さまの笑顔が見たい!』ということです」と神原さん。
彼らは「サプライズ」「フォトジェニック」「可愛らしさ」を感じてもらうために、真摯に商品作りに取り組んでいました。その姿は、仕事にやりがいを感じ、心から楽しんでいるからか、障がい者であることを少しも感じさせません。
もちろん、はじめは上手くいかないことも多かったそうです。しかし、神原さんは「自立した社会人として育てていきたい」という思いで、スタッフ教育に力を入れました。毎日の目標設定を作り能動的な自主努力を促しました。その結果、当初は月200個を作るので精一杯だったにも関わらず、現在は月2万個まで生産性が上がりました。
ある一人のスタッフに、ここで働く楽しさは何ですか? と聞いてみると、「社長が、本気で叱ってくれるところです。僕は、今までに他のところでも働きましたがすぐに逃げていました。ここでは本気で向き合ってくれるので、7年間も勤めることが出来ています」と答えてくれました。
商品はフルーツキャンディバーの他に、フルーツタルトソープなどもあります。フルーツをトッピングしていく様子は、石けんを作っているのか、ケーキを作っているのか分からなくなるほど!
商品のパッケージング作業もすべて手作業です。
細かい作業を淡々と集中力を切らさずにこなせるのも、彼らの個性が発揮されている証拠ですね。
本物感がスゴすぎ!フルーツバーみたいな石けんを使ってみた
パッケージを開けると、フルーツバーの「棒」部分がポロッと外れます。実は、ここが重要なポイント!!
類似品では、この棒が石けんの中に埋まっていて外れないものもあるんです。しかし、棒が埋まった状態だと木にカビが生えたり、雑菌が繁殖してしまう恐れがあるんですね。「化粧石けん」として、衛生的であることは絶対条件。だから、li’ili’i(リィリィ)では、棒を外して使えるように設計されています。
使ってしまうのがとってももったいないのですが、泡立ててみましょう。フルーツの甘い香りが泡立てるとさらにふわりと広がります。泡の中から顔を見せるフルーツが、不思議で可愛い!
洗い上がりはしっとり。高い保湿力が感じられました。そして、さすがフォトジェニックせっけん。置くだけで殺風景な洗面所がパッと明るく華やかに。女子度もテンションも同時に上げられますよ( *´艸`)
このせっけんに欲しいのがハーフサイズ。いろんなタイプを試したいのでぜひ作ってほしいです。甘い香りが気になる…という方のために無香料タイプがあってもよいですね。
ちなみに「li’ili’i(リィリィ)」とは、ハワイ語で“小さくて愛らしい”という意味。手のひらに収まるほどの小さな石けんで、自分で使ってもプレゼントされても嬉しくなるような可愛らしいものを創っていくというコンセプトのもとに生まれたそうですよ。
現在は「PLAZA」「東急ハンズ」「LOFT」他、セレクトショップなどの各店舗やオンラインショップで取り扱っています。
「この先も会社としてきちんと収益をあげ、彼らと共に良いものを作り続けていきたいですね。100人の障がい者雇用を実現することが僕の夢です」と神原さん。
可愛くてハッピーになる、li’ili’i(リィリィ)の手作り石けんを手に取ることは、障がい者の社会的自立について考える一歩になります。新生活、おいしそうなフォトジェニック石けんでスタートを切ってみませんか。
- writer バイコット編集部
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取材・写真協力:株式会社リンクライン
(2017.03.29)