2016年3月11日には、東日本大震災から5年目を迎えます。
この節目に、フレッシュな香りとカラフルな色合いの石けんやバスボムで楽しませてくれるLUSHより、福島から未来へ向けたオモイの詰まった商品が生まれました。
一つ目は、“つながるオモイ”と名付けられたソープ。
もう一つは、鮮やかな色合いの“ナノハナ KNOT WRAP”、“コットンフラワー KNOT WRAP”です。(KNOT WRAPとは風呂敷のこと。)
“DROP OF HOPE”―希望のしずく
オレンジなどの柑橘系のフレッシュさの中にまったり感もある、ずっと包まれていたい心地良い香りのソープ。指で押しただけでも形が変わってしまうほど柔らかく、手でちぎってしまえるくらいのやさしい触り心地です。
しっとり溶けるソープを手や汚れに馴染ませていきます。泡立ちは少なく、手をこすり合わせているときから潤いをまとっているような、洗っているのに養分を得ているようなクリーミーな洗い心地が気持ち良いです。やさしく手に馴染み、刺激は感じられません。
ほど良い潤いを得て、洗う前よりも肌がきれいに水を弾いているようにも見えました。こんな潤い感なら、体を洗ってもしっとりとしそうです。洗った後も甘い香りがうっすらと残り、リラックスした気持ちが続きます。
土壌の再生と菜の花
“つながるオモイ”の原料である菜種油は、福島県南相馬市の一般社団法人 南相馬農地再生協議会で生産されています。
南相馬農地再生協議会の杉内さんは、震災前から有機農業に取り組んでいた有機米農家さんです。福島第一原発事故によって農作物をつくる土壌が汚染されてしまい、生活は一変したといいます。
有機栽培に取り組む仲間たちとのつながりから、チェルノブイリ原発事故後にウクライナの農地再生に取り組んだ専門家たちとの縁が生まれ、一筋の希望として「菜の花プロジェクト」が始まりました。
菜種油には放射能物質が移行しないという特性があります。搾取した油に放射性物質は移らない一方で、菜種などの油脂植物には放射性物質を吸収する性質があり、土壌の再生方法として希望が持たれています。
南相馬の未来づくり
私たちが普段使っている食用油の原料は、9割以上を輸入に頼っています。原料には遺伝子組換え作物かどうかの表示義務がないため、気づかずに口にしている可能性があることを問題視している人もいます。
菜の花プロジェクトで生産された菜種油は、生産者のわかる貴重な国産原料なのです。
原発事故の影響で若い世代の流出が多い南相馬市でも、他の福島県の地域と同様に地域コミュニティを維持することが難しくなっています。多くの人が従事していた農業への風評被害によって先が見えにくい状況も大きな要因です。
つながるオモイ(ソープ) 100g 1,200円(税込)
南相馬農地再生協議会の杉内さんは、農地の再生だけでなく、農業の魅力や可能性を発信する中で、このプロジェクトを若い人たちと一緒に取り組めるようになりたいと考えています。そんな“希望”の詰まったソープには、やさしさの中にも、力強さも宿っている気がします。