個性を生かせる手作業だから感じる「ぬくもり」
現在、株式会社リンクラインさんのスタッフは全29名。そのうち、障がい者雇用は24名。全てのスタッフが同じ現場で分け隔てなく作業をしていました。
「彼らの個性を生かせるものを考えた結果、誕生したのが、このli’ili’i(リィリィ)です。機械では真似のできない、手作業だからこそのぬくもりがあります。1点1点すべて違うので、お客さまにも、楽しみながら選んでいただけたら嬉しいですね」と、代表取締役の神原薫さん。
株式会社リンクラインさんでは、設立当初より商品を“障がい者の手作り”として、販売することは敢えてしてこなかったそうです。下請けの商品作りをこなす中で「もっと、彼らにしか出来ないことで“表”に立たせてあげたい!」と考えた神原さんは、2016年にli’ili’i(リィリィ)ブランドを立ち上げました。
その際にも“障がい者の手作り”を謳うかは悩んだと言います。しかし、彼らが作っていることは紛れもない事実であることから『作るのも僕たち。売るのも僕たち。』として“障がい者の手作り”であることも、素直に伝えることにしたそうです。
お客さまを驚かせ、笑顔が見たいから作り続ける
「彼らには、夢があります。それは『お客さまの笑顔が見たい!』ということです」と神原さん。
彼らは「サプライズ」「フォトジェニック」「可愛らしさ」を感じてもらうために、真摯に商品作りに取り組んでいました。その姿は、仕事にやりがいを感じ、心から楽しんでいるからか、障がい者であることを少しも感じさせません。
もちろん、はじめは上手くいかないことも多かったそうです。しかし、神原さんは「自立した社会人として育てていきたい」という思いで、スタッフ教育に力を入れました。毎日の目標設定を作り能動的な自主努力を促しました。その結果、当初は月200個を作るので精一杯だったにも関わらず、現在は月2万個まで生産性が上がりました。
ある一人のスタッフに、ここで働く楽しさは何ですか? と聞いてみると、「社長が、本気で叱ってくれるところです。僕は、今までに他のところでも働きましたがすぐに逃げていました。ここでは本気で向き合ってくれるので、7年間も勤めることが出来ています」と答えてくれました。
商品はフルーツキャンディバーの他に、フルーツタルトソープなどもあります。フルーツをトッピングしていく様子は、石けんを作っているのか、ケーキを作っているのか分からなくなるほど!
商品のパッケージング作業もすべて手作業です。
細かい作業を淡々と集中力を切らさずにこなせるのも、彼らの個性が発揮されている証拠ですね。