木の実で洗濯ができる、と聞いたときは思わず「えーっ!?」。
ムクロジという木の実が含む天然の洗浄成分「サポニン」を利用するそうです。
「木の実から抽出した成分を洗濯用洗剤に入れているのかな」と思ったのですが……、「WASH NUTS」という商品をを手にしてびっくり。本当に木の実そのままだ!
木の実を約10個付属の袋に入れて洗濯機にポン♪と入れるだけ、とあります。
6歳の息子が敏感肌ですぐに肌が赤くかゆみがでるため、洗濯には気を遣っていました。
洗濯用洗剤、食器用洗剤などに幅広く使われている合成界面活性剤は、洗濯後も分解されず服に化学物質が残り、アレルギーなどの原因になることも。
さらに、排水のなかの合成界面活性剤は水汚染の要因とされ、年々悪化する水質汚染の原因の60~70%は、家庭からの生活排水といわれています。毎日の洗濯で海や川の水を汚すなんて……、と洗剤選びにまた悩んでしまうのです。
そこで、肌にも環境にもやさしい合成界面活性剤不使用という「洗濯石鹸」を使ってみるものの、仕上がりのごわごわした感じや衣類への石鹸残りが気になる。ふんわりしあげたいけど、柔軟剤は香りがきついものが多くて苦手です。
そこで知ったのが「WASH NUTS」。
日本人の生活にも古くからなじみのあったムクロジ。洗濯やシャボン玉遊びにも
「WASH NUTS」の正体はムクロジという木の実です。
「ムクロジっていう木の実で洗濯ができるんだって」
と73歳になる母に話したところ、
「子どもの頃は実のなる時期には、家でも洗濯に使っていたよ。神社の境内に落ちていたからよく拾いにいって水に浸してシャボン玉遊びもよくやったのよ」
へえ~っ、日本でもなじみのある実なんだ~、と驚きでした。
調べてみたところ、日本でムクロジは平安時代頃から洗濯や洗髪に使われ、公家屋敷にはムクロジの木が多く植えられていたそう。ムクロジは、「無患子」と書き、子どもを災いから守る、無病息災、厄除けの力があるとされてきました。神社の境内に植えられていたのも、そうした理由からでしょう。
なるほど~、ムクロジと日本人のつながりも深い。使わない手はないんじゃない!