日本全国のいいモノを売ることで、地域を元気にしていく
「日本百貨店に置かせてもらっているモノの職人さんのところに、大手百貨店のバイヤーさんが『日本百貨店であなたの作ってるものを知ってうちでも扱わせて欲しい』と言って来たというんです。それを聞いてうれしくなりました。職人さんの作っているいいモノを広く知ってもらいたい、という日本百貨店の理念が認められたのかなと」
最近は地方の商工会からも相談があるそうです。地元の職人さんがいいものを作っているけど売り方がわからない。どうしたらよいだろうと。
「それって、日本百貨店という場を介して、職人さん、地域、消費者、それぞれを元気にすることになっていると思うんです。狙っていたわけではないけど、結果的にそうなってきています」
まさに「日本のいいものを売ることで、日本をよくしている」ことになっていますね!
「今でこそバラエティ豊かなモノがお店に並んでいますが、最初は全然なくてスカスカでした」そんなお店に転機が訪れたのは、2011年の東日本大震災でした。
オープンから三ヶ月で震災に遭遇。スタッフもほとんどお店に来られない状況で、社長とスタッフの方の二人でお店を営業していたそうです。もちろん震災直後は満足に営業もできなかったりお客はほとんど来なかったりする日々が続きました。
震災から1ヶ月ほどたった4月のある日、開店の準備のためにお店に来てみると行列ができていました。
「なんでなのかよくわからないんですが、おそらく『日本百貨店』という名前が付いているから『日本で作られたものが買えるのだろう』ということだったんだと思います。震災が起きて日本を元気にするために、日本のものを買いたいという気持ちの表れだったのかなと」
最初は手探りだったお店も、この一件で「日本のよいものを必要としている人に届けることで日本をよくしていく」という思いは間違ってなかった、と再認識したそうです。
「全ては偶然の積み重なりでお店ができあがっていったと思うんです。同じお店をまたゼロから作れと言われても無理。全ては『人との繋がり』と偶然の産物で、『日本百貨店』はここまで多彩なお店になったと思っています」
そんな「日本百貨店」さん、これからも「日本を良くするモノ」でもって「人と人を繋げる」場であり続けるのだと思います。
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- writer いづやん
- 島旅研究家/Webクリエイター
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取材協力:株式会社コンタン(日本百貨店)
日本百貨店おかちまち
(2016.01.27)