そんな素敵な気持ちにさせてくれるプロジェクト「Book Santa」はどのようにスタートしたのでしょうか?
チャリティーサンタの代表理事清輔(きよすけ)夏輝さんにお話をうかがいました。
「体験の貧困」に悩む家庭に届けるために
行動する大人を増やしたい
きっかけは、「子どもたちがどういう状況にあって、何に困っているのか」という実態を知るために2015年に実施した大規模な利用者調査です。クリスマスに家庭でプレゼントを用意し、チャリティーサンタに依頼し、さらにチャリティー金を払えるような既存の依頼者は、経済的に恵まれた家庭が多いことがわかりました。一方で年収が200万円未満、相対的貧困家庭と言われている家庭は、クリスマスにプレゼントを用意するなどの余裕がないという現状も見えてきました。厚労省の調査によると日本で7人に1人といわれる子どもの貧困。目にはみえづらいけれど、子どもが当たり前に経験するはずの「体験」が得られていないことが問題となっています。
クリスマス格差が生じているのに、その層に届けられていない。さらに貧困層家庭からは、高価なプレゼントをもらうよりも、楽しい思い出をつくってあげたいという声が多いこともわかりました。絵本なら、子どもたちが絵本にふれるきっかけを作ったり、親子のコミュニケーションの一助にもなります。クリスマスにだれかに絵本を贈るムーブメントとしたい。そうした思いからBook Santaをスタートさせました。
結果、寄付という行為に参加する人は広がりを見せ、「どの絵本にしようか考えるのがとても楽しかった」といった参加者のコメントが多数寄せられています。
「絵本を介して社会の問題を自分事化してかかわってくれていると感じますね。」(清輔さん)
たくさんの大人が子どもたちのためにかかわる社会に
以前にバイコットでもご紹介をした埼玉県朝霞市の書店「CHIENOWA BOOK STORE」は、2018年からBook Santaに参加。店長の塩澤広一さんは3歳、1歳の子のお父さんでもあります。
「私たちは本屋なので本の力を信じています。子どもとかかわっているなかで、絵本ってすごいな、とも実感しているんですね。社会にその力を体感できていない方がいるのであれば、その機会をつくる一助になりたい。そう思って参加を決めました。社会問題に関心をもつ入口のひとつが書店。そんな存在になれたらうれしいですね」
チャリティーサンタが目指しているのは、まさにそのような「厳しい環境におかれている子どもたちのために、たくさんの大人がかかわる社会」なのだそうです。
どんな家庭でも子育てはひとりではできないから
さまざまな状況の家庭がありますが、どんな家庭でも子育てはひとりでは到底できません。私も社会から取り残されたような気にもなり、思い通りにいかないことばかりで、不安やイライラが募ることもしばしばありました。でも、周りに支えられ、地域の方、職場の同僚、保育園、社会に育ててもらって子どもたちは成長できたと実感しています。
絵本を贈ることで、今度は私がその小さな一助になれるのは、ちょっとうれしい。
「活動を通じてわかったこと。それは誰かのために行動することってこんなに嬉しいことなんだって」。チャリティーサンタ代表の清輔さんそう語ってくれました。
だれかのためのプレゼント『ねずみくんのクリスマス』。絵本は、自分の心にぽっと灯りをともしてくれるような存在です。その灯りが、どこかに住む子どもと、そしてその親御さんをあたたかく照らしてくれることを願って、書店をあとにしました。
今年のクリスマス、だれかの育ちを支え、社会とつながるBook Santaに参加、書店に足を運んでみませんか?
関連リンク
Book Santa 2018 公式サイト (https://booksanta.charity-santa.com/)
Book Santa 2018 パートナー書店一覧 (https://booksanta.charity-santa.com/bookstore/)
特定非営利活動法人チャリティーサンタ (https://www.charity-santa.com/)
CHIENOWA BOOK STORE (http://www.chienowa-bs.com/)
過去のご紹介記事
【これは応援したい】本を買うと街が元気になる!とある書店がはじめた粋なプロジェクトって?
【サプライズ】いつもと違うクリスマスを演出して、子どもたちをもっと楽しませる方法
いいね!と思ったら買って応援しよう!
この記事をシェア
- writer 大武美緒子
- フリー編集者・ライター
- more
撮影・取材協力:特定非営利活動法人チャリティーサンタ
撮影・取材協力:CHIENOWA BOOK STORE
(2018.12.06)